サウジアラビア戦に向けて調整を行う武藤嘉紀(撮影・六川則夫)
サウジアラビア戦に向けて調整を行う武藤嘉紀(撮影・六川則夫)

 代表のFW競争が加熱している。今回の代表ウィークに向けFW枠の選手が9人も選出された。オーストラリア戦では大迫勇也(ケルン/ドイツ)、浅野拓磨(シュツットガルト/ドイツ)、乾貴士(エイバル/スペイン)が先発し、岡崎慎司(レスター/イングランド)、久保裕也(ヘント/ベルギー)、原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)が途中出場。つまり3人の交代は全て前線で行われたのだ。一方で約1年ぶりに招集された武藤嘉紀(マインツ/ドイツ)と試合に臨むメンバーとして初選出の杉本健勇(セレッソ大阪)はベンチ外となった。

 「ホントにイメージはできていますし、この間に関しても準備はできてきたので、とにかくチャンスがあればそれをモノにしたい」と語る武藤はオーストラリア戦の前から好調をアピールしていた。「ホントに悔しい思いの方が強かった」と振り返るが、その気持ちをサウジアラビア戦にぶつける意気込みを感じさせる。その武藤が意識するのはゴールに直結するプレーであり、さらに言えばゴールそのものだ。

「ゴールを取れれば自信になりますし、アピールにもなると思うので、ホントに自分にとっては消化試合ではないので、とにかくアピールする機会としても得点を取ることを第一に考えていきたい」

 もちろん、武藤が強く意識するのは来年のワールドカップだ。ただ、そのためにもプロセスとして「次の試合だったり、ここからの親善試合だったりがホントに大事になる」と語る。実際、ハリルホジッチ監督はブラジルワールドカップで率いたアルジェリア代表でも予選後に何人もの新戦力を加え、一方で予選の功労者も厳しい競争にさらしている。

「予選でも、これだけ人の入れ替えが多かったということは、ワールドカップ本戦になったらまたいなくなる人もいれば、新しい選手も出てきたりというのがあると思うので、ホントに全員に平等にチャンスがあると思います。それをモノにできるかどうかは自分次第」

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