イタリア戦はここまで両者の勝ち点がどうなっているかで戦略や選手の起用法も変わってくる。2連勝でメンバーをそっくりターンオーバーできれば理想的だが、各グループの3位の中の上位4位まで決勝トーナメントに進出できることもあり、内山監督としては勝ち点計算も頭に入れながらの試合になる。過密日程であるため、初戦、2戦目と全く同じスターティングメンバーにはならない可能性が高い。ただ、チャンスを与えられた選手は全力で欧州2位の強豪に挑んでいくべきだ。

 欧州2位のイタリアはGKジャンルイジ・ドンナルンマやMFマヌエル・ロカテッリといった世代のスーパースターは参戦していないが、司令塔のロランド・マンドラゴラをはじめ将来が楽しみな逸材が揃う。伝統的なイメージとやや異なり、テクニカルな中盤を軸としたワイドな攻撃を備えているため、高い位置からプレッシャーをかけると同時に、ボールを持たれても前を向いて仕掛けられる前にA代表のハリルホジッチ監督が求めるような“デュエル”で潰していきたい。

 キーマンは守備的MFの原輝綺(アルビレックス新潟)だろう。彼がマンドラゴラや仕掛け人のMFニコロ・バレッラなどを封じることで、イタリアの攻撃力をかなり弱めることができるはず。長身でパワーとテクニックを兼ね備える10番のルーカ・ヴィード、高速ウィングのリッカルド・オルソリーニなど注意するべき選手は多いが、勝ち点や日程に応じた相手の起用法も不明であるため、自分たちのベースを忘れることなく、柔軟な対応をしていきたい。

 4カ国×6組での戦いは前述の通り3位の上位も決勝トーナメントに進出できるため、勝ち上がった先の対戦相手が読みにくい。2位で勝ち上がればフランス、ホンジュラス、ベトナム、ニュージーランドが居並ぶE組の1位と当たることは決まっているが、1位か3位での突破なら対戦するグループすら流動的だ。「世界で1つでも多く試合をさせたい」と語る内山監督は参加するからには頂点も目指すことを掲げるが、まずは3試合をしっかり戦うこと。その中で成長した選手たちがどこまで行けるか、その未知なる冒険に期待したいところだ。(文・河治良幸)