自身のバースデーに代表5試合目で初ゴールを決めて「記念になります」と喜んだFW籾木結花も21歳。伸び盛りの若手選手を積極的に起用して自信につなげた高倉監督の”操縦法”も光る。今回のメンバーに関して高倉監督は「年齢で選手は評価したくない。いろんな選手を呼んだので、メンバーを決めるのに頭が痛かった。今回のメンバーと、プラス・アルファが2019年と2020年のベースになる」と試合後の会見で語っていただけに、若返りに一定のめどが立ったと見ていいだろう。

 次に「ポスト澤」であるが、彼女の存在は偉大すぎるし、代えの利かない選手でもある。それでもあえて後継者を指名するとしたら、背番号「10」を受け継いだ坂口ということになる。コスタリカ戦でもボランチの位置から攻撃を組み立て、身ぶり手ぶりで若手選手のポジションを修正しつつパスを出してリードしていた。代表歴107試合で28ゴールは現チームでトップの実績でもある。

 そんな坂口に求められるのは、澤とは違うイメージの、なでしこジャパンの新たな「背番号10」像を確立することに他ならない。来年はアジアカップ兼W杯予選、再来年はフランスW杯、そして2020年は東京五輪と国際大会が続く。彼女にとっても正念場になる3年間。そのスタートとなったのが、昨日のコスタリカ戦でもあった。(現地取材=サッカージャーナリスト・六川亨)