坂口夢穂と高倉麻子監督(右)(撮影・六川則夫)
坂口夢穂と高倉麻子監督(右)(撮影・六川則夫)

 コスタリカ女子代表を迎えて「地震復興支援マッチ」が4月9日に熊本県民総合運動公園陸上競技場で行われた。なでしこジャパンは、FW横山久美の先制弾などで3-0で勝利を収めた。

 昨年4月に就任した高倉麻子監督にとって、この試合が国内初ゲーム。チームの目標は、来年4月にヨルダンで開催されるアジアカップで5位以内に入り、2019年のフランス女子W杯の出場権を獲得すること。そして2020年東京五輪でのメダル獲得である。

 そのために急務なのが、チームの若返りと絶対的なエースだったポスト澤穂希の後継者探しだ。なでしこジャパンは、2011年のドイツW杯で初優勝を飾り、2015年のカナダW杯でも準優勝を果たした。その結果、5年間ほとんどメンバーが代わらず”チームの”高齢化”を招いていた。

 澤は引退したが、大儀見優季(永里優季)、宮間あや、大野忍、川澄奈穂美ら歴戦の経験者で挑んだ昨年3月のリオ五輪アジア最終予選はまさかの予選落ち。そして佐々木則夫監督から高倉監督にバトンが渡された。

 まず若返りに関しては、昨年のリオ五輪アジア最終予選のメンバーの平均年齢は27.1歳で、28歳以上の選手が11人もいた。しかしコスタリカ戦の平均年齢は23.2歳と大幅に若返り、28歳以上の選手はMF坂口夢穂(29歳)とDF宇津木瑠美(28歳)の2人だけ。

 そして、コスタリカ戦では21歳のMF隅田凜、20歳のFW上野真実、22歳のFW大矢歩の3選手が代表デビューを果たした。隅田はなでしこリーグで連覇を果たしている日テレ・ベレーザのレギュラー。熊本出身の上野は昨年のU-20女子W杯で5ゴールを決めて得点王になった逸材だ。大矢もまた、U-23日本代表からの昇格と、いずれも実績はある。この試合でも、上野は後半29分にFW田中美南の2点目をアシストするなど結果を残した。

次のページ