耐震診断・改修や省エネ改修、バリアフリー改修については、国や自治体からさまざまな補助金を受けることができ、所得税の控除や固定資産税の軽減など、税の優遇を通した支援も行われています。事前に情報収集をして、忘れず活用しましょう。

■業者の「質」を吟味してリフォームトラブルを防ぐ

 なお、住宅リフォームでは、高齢者をねらった悪質な訪問販売や、途中で多額の追加費用を請求されるなどのトラブルが多発しています。

 リフォームトラブルを防ぐには、少なくとも三つの業者から見積もりを取ることをおすすめします。その際、工事一式の大まかな見積もりを出してくるような業者は、やめたほうが無難です。工事箇所ごとにそれぞれの工事内容、仕様、数量、単価などが記載された、わかりやすい見積書が望ましいです。

 また、壁をはがして初めてわかる劣化などにより、工事開始後に内容が変更になる場合もあります。「言った言わない」のトラブルを防ぐため、変更があった場合は必ず文書に残してもらいましょう。

 リフォーム業者には、工務店系、設備系、内装・外装系などがあり、それぞれ得意分野が異なります。耐震改修では建築に詳しい業者が向いていますし、バリアフリー改修では介護や福祉などの知識も必要になります。自分が依頼するリフォーム分野を得意とする業者を探すには、これまで手がけた施工例を見せてもらうとよいでしょう。

 不動産の価値を左右するのは、一にも二にも三にもロケーションです。いくら建物が立派でも、売買や賃貸のニーズがない場所に立地していれば、その価値はゼロどころか、固定資産税や維持管理費、空き家が老朽化すれば解体費が発生することを考えると、むしろマイナスです。将来的な資産価値を見極めたうえで、老後はマイホームをどうするか、じっくり検討しましょう。

※週刊朝日MOOK「定年後のお金と暮らし2017」より