腹筋で上体を支えることで背骨を安定させ、腰への負担を軽くすることができるため、腹筋を鍛えるための運動を続けることも大切です。ただし、腹筋は、鍛えても使わなければ意味がありません。「腹筋が緊張しているな」と感じられるように、「腹に力を入れておく」ことを意識しましょう。例えば、テレビを見ているときCMの間だけおなかにグッと力を込めてみるなど、毎日の生活の中で腹筋を意識する時間を作るだけでも違います。

 ぎっくり腰など、ひどい腰痛を繰り返すと、怖くなって腰に力を入れなくなり、腹筋も使わなくなりがちです。そうなると、腹筋や背筋がどんどん弱ってさらに腰痛がひどくなる悪循環に陥るため、腰痛予防のためにもなるべく動くことが大切です。

 腰痛は、よくなったり、悪くなったりしながらずっとつきあっていくこともありますが、生活改善や運動によって治ることもあります。「腰が痛いからできない」ではなく、「腰が痛くてもやってみる」という意識で動きましょう。

※週刊朝日MOOK「痛い!首腰ひざのいい病院2017」より抜粋