そして正捕手を誰にするのかも大きな問題だ。球界全体で捕手不足が叫ばれる中、今回のメンバーには嶋基宏(楽天)、小林誠司(巨人)に加え、新たに大野奨太(日本ハム)が選出された。小久保裕紀監督は会見で「今回はキャッチャーに大野が初選出で入っている。キャッチャーとしてのレギュラーが今の侍ジャパンでは決まっていないので、キャッチャーの強化もポイントだと思っている」と話したが、WBCまで残り半年を切ったこの段階で大野を初招集するならば、これまでにあった幾多の機会で、今回メンバー外となった炭谷銀仁朗(西武)、會澤翼(広島)、中村悠平(ヤクルト)ではなく、大野を一度でも選んでおくべきだっただろう。正捕手はチームの司令塔。扇の要が揺らいでいては、トーナメントを勝ち上がるのは難しくなる。

 昨年のプレミア12での準決勝・韓国戦での逆転負けの悔しさを「忘れる日はない」と語る小久保監督。世界一奪回へ向けて「最強チームを作る」と意気込んではいるが、理想とするチームは完成するのか。もし足りない部分があるならば、そこは監督の采配でカバーすべきだろうが、果たしてその手腕を発揮することができるのか。