しかし、J1のCSが「リーグの活性化と観客動員数」の効果をねらったものであるのに対し、ホルツホイザー案の根っこにあるのは「まともにやってもバイエルンには勝てないから」という負け犬的発想。2001-02シーズンにブンデス、DFBポカール、チャンピオンズリーグの全大会で2位に終わった“シルバーコレクター”の恨み節でもないだろうが、あまりに情けない。

 ホルツホイザーは「10月の終わりに優勝チームが予想できるなんて、ブンデスリーガのスポンサーも良くは思わないだろう」と興業面も懸念し、プレーオフ導入なら相当の収益が見込まれると主張する。何を言っているのやら、ブンデスリーガは世界一の集客を誇るリーグであり、昨季の観客動員数は約1300万人だ。昨季レスターでイングランド・プレミアリーグ制覇を味わったクリスティアン・フクスは「95%の確率でバイエルンが優勝するリーグなんかつまらない」とけなしたが、ファンの考えは違うのだ。

 地元ミュンヘンの大衆紙『tz』によれば、「全34節終了時に4チームで王者を争うプレーオフの導入はアリか?」というネットアンケートに対し、回答者8660人のうち82%が「34節終了時点での首位が王者にふさわしい」に投票。「その方が最後まで盛り上がる」に投票したのはわずか18%だった(日本時間23日現在)。他媒体の投票も似たような結果だ。

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