もう一つが、試合の中での相手投手、リード、配球面に対する対応力である。今季の打席別成績を見ると、1打席目の打率.282(71打数20安打)から、2打席目が打率.324(71打数23安打)、3打席目は打率.395(76打数30安打)と打率が上昇し、4打席目は打率.408(71打数29安打)。厳しいマークを受けながらも集中力を切らさず、次の打席へと活かしている。それにより、昨季143試合中36試合あった無安打試合が、今季は88試合中16試合(143試合換算で26試合)となっている。

 進化を見せる山田。打撃成績でリーグ2位以下なのは三塁打と犠打くらいで、先に挙げた打率、本塁打、打点、盗塁、安打、出塁率の他にも、74得点、23二塁打、226塁打、68四球、長打率.706、OPS1.170と、ほぼすべての部門でリーグトップ。現在「12冠」をばく進中だ。

 2位以下の差も考えて“鬼門”と考えられるのは、盗塁、安打、得点の3部門だろう。盗塁は2位・田中広輔(広島)と2差。打席内で打てば数字も上がる他の部門と違い、盗塁は主にシングルヒットを放った後にようやく機会が生まれる。ただ、今季は盗塁に失敗したのは2度のみで盗塁成功率90.9%を誇る。ケガさえしなければ2年連続盗塁王の確率は高いだろう。

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