2位との差では、安打の方が肉薄している。1本差で同僚の川端、4本差で菊池涼介(広島)が付ける。6月中旬から4番打者に固定されている山田に対して、川端は3番、菊池は2番を務める。このわずかな差が打席数、そして安打数にどう影響するか。

 最後に得点。本塁打を放てば加算されるが、それ以外は他のチームメイトの力を借りるしかない。昨季は打点王に輝いた畠山の活躍もあって2位に32点差を付ける119得点をマークしたが、今季は畠山が不振と故障で不在。代わりに山田の後を打っているバレンティンらが大きな鍵を握っている。

 プロ6年目の24歳。12年の代打でのプロ初打席初安打から、周囲の想像を遥かに超えるスピードで成長し、規格外のスケールを持った選手となった。そして、押しも押されもせぬスター選手となって以降も、研究熱心で好奇心旺盛、何より野球に対しての素直さが、山田の成長をさらに加速させている。今季に関しても、「調子が良い」の言葉で表現するのは適切ではない。年齢から考えても肉体的な成長は今後も続くはずで、選手としてのピークはまだ数年先だ。選手としての底は、まだまだ見せていない。3冠王および6冠制覇、さらには12冠達成も、あくまで通過点なのかも知れない。