だがダルビッシュは続く青木をフルカウントからスライダーで空振り三振。前の打席で犠飛を許したスミスは150キロ台の速球を続けて追い込み、最後は1-2からのスローカーブがやや高めに浮いたものの、味方のファインプレーでセカンドライナー。結果的に最少失点で切り抜けてみせた。

 6回は先頭のカノの二塁打と暴投で無死三塁のピンチを背負い、1死後にシーガーの適時打で3失点目。次打者の内野ゴロで2死一塁となり、打席に李大浩を迎えたところで降板を告げられたダルビッシュ。「監督に来なくていいとアイコンタクトを送ったが、目をそらされて通じなかった」と言うように、本人としてはイニングの最後まで投げたかったに違いない。それはダルビッシュの強い責任感と先発投手の矜持でもある。

 レンジャーズはダルビッシュの後を受けた前ヤクルトのリリーフ右腕トニー・バーネットらがリードを守って7対3で逃げ切り勝ち。ダルビッシュは5回2/3、88球を投げて6安打、1四球、5奪三振、3失点だった。衝撃的だった復帰戦と比べるとやや物足りなく感じるかもしれないが、要所を締めて大量失点しなかったのはさすが。なにより、トミー・ジョン手術明けの投手が2試合続けてクオリティスタートに近い投球ができたことが収穫だろう。

 初回に先制3ランを放って援護した主砲エイドリアン・ベルトレが「有はウチのエースの一人」と語ったように、戦列復帰を果たしたダルビッシュはもはやレンジャーズに欠かせない、かつ信頼できる仲間だとチームメイトからも認められている。次の登板でもきっとダルビッシュは味方の、そしてファンの期待に応えるピッチングを見せてくれるに違いない。