何事につけてもそうですが、勝手にだまってやり始めるのはよくありません。ちゃんと奥さんに断って、必要な教えを請うて、やれるところから手伝う、分担するというのが筋です。決してやっている自分に酔ってはいけませんし、ましてや自慢などしてはいけません。

 掃除に加えて、片付けをし始めると、無用な言い合いを招くことがあります。男性は一度始めると、例えば何をどこに置くのかということをきっちりと決めたがる傾向があります。手順もそうです。ところが、そこはそれまで奥さんが仕切っていた領域ですし、一般に女性の方がその辺りは臨機応変(はっきり言うといい加減)なので、自分が今さら勝手に決めたルールや置き場所などに固執するのは考え物です。あくまでも「奥さんが主役で、自分は脇役だ」ということをわきまえてください。

 残るカテゴリーが洗濯と炊事・料理です。どちらが簡単にできそうか質問すると、多くの男性は洗濯のほうが簡単だと答えます。そうでしょうか?新しい洗濯機を使っていても、ただ洗濯ものを洗濯槽に入れて、洗剤を適量注げばいいというものではありません。

 洗うものごとに、これには柔軟剤が必要だ、手洗いでなければいけない、ソフト水流でなくてはいけない、ネットに入れるか入れないか、などなど正直に言ってどうでもいいのではないか、と思えるほどに細かな決まりごとがあるらしいのです。

 特に女性の下着のことは全く未知の世界です。奥さんとはいえ、女性の気持ちは繊細です。若くして家事をそれなりに分担している男性は、すでにその洗礼を受けていると思いますが、55歳を過ぎて、これから家事を分担しようという男性は、その洗礼を受けていないでしょう。洗い方だけではありません。干し方や畳み方など、いちいち、指摘されます。

 これはかなり難物です。でも、法則がわかってくると男性特有の“構造化魂”が頭をもたげ、結構面白くなってくる。不思議なものです。

 とはいえ、掃除の次にチャレンジする家事としては、炊事・料理のほうがいいと思います。

●朝ご飯の得点は意外と高い!!そしてパスタと中華で決める

 料理の話をする前に、炊事全般について一言。まずは生ごみに対する恐怖をなくすこと。慣れていないと、これをどうにも触りたくないという男性がいますが、そこは慣れしかありません。加えて洗い物。男性の料理は段取りも悪く、途中で洗い物もしないから、調理後のキッチンが大変だとよく言われます。

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