胃がんになりやすい日本人が気をつけるべき習慣――がん研有明病院・山口俊晴病院長に聞く (2/3) 〈ダイヤモンド・オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

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胃がんになりやすい日本人が気をつけるべき習慣――がん研有明病院・山口俊晴病院長に聞く

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日本人なら常にリスクを考えておくべき「胃がん」。どう防げばいいのか?

日本人なら常にリスクを考えておくべき「胃がん」。どう防げばいいのか?

山口俊晴(やまぐち・としはる)がん研有明病院病院長。 1973年京都府立医科大学卒、アメリカテキサス大学ヒューストン校留学、95年に京都府立医科大学助教授に。2001年財団法人癌研究会付属病院消化器外科部長を経て、2005年同病院消化器センター長。2008年癌研究会有明病院副院長を経て、2015年7月より現職。

山口俊晴(やまぐち・としはる)
がん研有明病院病院長。 1973年京都府立医科大学卒、アメリカテキサス大学ヒューストン校留学、95年に京都府立医科大学助教授に。2001年財団法人癌研究会付属病院消化器外科部長を経て、2005年同病院消化器センター長。2008年癌研究会有明病院副院長を経て、2015年7月より現職。

●「ピロリ菌」こそ胃がんの大敵! ABC検診でリスクを調べよう

――胃の病気が胃がんに発展するケースはあるのでしょうか。

 代表的な胃の病気としては、ポリープ、胃潰瘍、慢性胃炎があります。どれも胃がんにつながるイメージがありますが、この中で最もリスクが高いのが慢性胃炎です。胃のポリープは炎症性のものなので、がんになることはほとんどありません。胃潰瘍も、がんにはなりませんが、がんが原因で潰瘍ができるケースがあります。これに対して、慢性胃炎は、胃がピロリ菌に感染した結果出来上がることが多く、胃がんのリスクが高い前がん状態と考えられます。

 ですから、ピロリ菌も、塩分やタバコと並んで考えられる胃がんの大きなリスク要因と言っていいでしょう。

――ピロリ菌に感染していると、なぜ胃がんのリスクが高まるのでしょう。

 ピロリ菌は、正式には「ヘリコバクター・ピロリ菌」と呼ばれる細菌で、発がん促進作用をもっています。生まれつき体内に存在するものではなく、多くの場合は母親から感染し、胃の粘膜に棲み着きます。親が噛み砕いた食べ物を子どもに口移しで与えるといった行為がその例です。ピロリ菌に感染すると炎症を起こし、これが繰り返されるとその結果胃の粘膜が萎縮し、慢性胃炎という状態になります。ここに発がん物質が入ってくると、胃がんが発生するリスクが非常に高まります。

 たとえば、清潔な環境であれば肌が傷ついてもすぐに傷口は修復されますが、泥だらけの状況では傷が治らないどころか、よけいに悪化してしまいますよね。ピロリ菌に感染した胃の中は、まさに泥だらけのような状態といえるのです。このように、ピロリ菌は胃がんの確実なリスク要因であることから、最近では、「ピロリ菌の有無」と「慢性胃炎の有無」を調べる検査を組み合わせて、胃がんのリスクを検診する「ABC検診」が行われるようになっています。

――「ABC検診」についてもう少し教えてください。

「ABC検診」は、ピロリ菌抗体検査とペプシノゲン検査を組みあわせて胃がんの危険度をA、B、C、Dの4群に分類して評価し、異常がある人に効率よく精密検査を推奨する検診です。

「ABC検診」では、まずピロリ菌に感染しているかどうかを調べます。そして、ペプシノゲンの値を測定することで、胃粘膜の萎縮の程度を調べます。この結果から、A、B、C、Dの4段階およびEでリスク判定を行います。例えばA群は、ピロリ菌の感染がなく、胃粘膜の萎縮もないため、胃がんが発生するリスクはほとんどありません。B群は、ピロリ菌感染があり胃粘膜の萎縮が軽度、C群はピロリ菌感染があり胃粘膜の萎縮が進んでいる状態です。これらの群は、定期的に胃カメラ検査を行ってもらう必要があります。最もリスクの高いD群は、ピロリ菌の感染がないにもかかわらず、胃粘膜の萎縮が高度に進んでいる状態で、1年間の胃がん発生頻度は80人に1人です。やはり、胃カメラ検査が必須になります。


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