10年間の定点撮影で浮かび上がる東日本大震災後の「石巻の姿」 写真家・齋藤大輔

  • 「石巻市中央1丁目15番」。左上から反時計回りに2011年5月7日、16年5月8日、21年5月3日撮影。中央1丁目の一画。11年の写真では、津波により陸に乗り上げた船舶が見える。16年、21年の写真、画面左側の大きな建物は「リバーサイドMOTOMACHI」。この建物は復興公営住宅、分譲マンション、デイケアサービス施設を組み合わせた複合施設として建設された。21年の写真、画面中央右には「網地島ライン」の発着所にたたずむ連絡船が見える(写真とキャプション:齋藤大輔)
  • 「石巻市門脇町・南浜町」。左上から反時計回りに2011年5月4日、16年5月6日、21年5月3日撮影。日和山から門脇町、南浜町方面を望む(南方向)。震災発生時、門脇町、南浜町の一帯は約7メートルの津波に襲われ、死者・行方不明者あわせて500名あまりの被害者を出した。南浜町一帯は元来、水田や湿地が広がる場所であったが、1960年ごろから住宅地化が進み、近年では文化施設や市立病院なども建設され、多くの人々が生活する市街地となっていた。現在、周辺一帯には、復興住宅や「石巻南浜津波復興祈念公園」などが建設されている(写真とキャプション:齋藤大輔)
  • 「石巻市門脇町・南浜町」。左上から反時計回りに2011年5月7日、16年5月6日、21年5月4日撮影。高台から南浜町4丁目方面を望む(南方向)。津波により甚大な被害を受けた門脇町、南浜町。震災時には、海岸の防波堤を超えて、約7メートルの津波が一帯に押し寄せた。ほとんどの住宅や建物は水没し、津波に押し流された自動車から火の手が上がり、一昼夜燃え続けた。震災後に周辺一帯は、「石巻南浜津波復興祈念公園」として整備が進み、現在では各施設や住宅などが建設されている(写真とキャプション:齋藤大輔)
  • 「石巻市川口町1丁目6番」。左上から反時計回りに2011年8月2日、16年5月7日、21年5月8日撮影。旧北上川沿いにある「鈴木造船所」。震災後に津波により損傷した船舶の修理を数多く行っていた。石巻では旧北上川の川沿いに船舶関連の施設が多く立ち並んでいた。21年の写真では、造船所のあった場所に堤防が建設されている。現在では、同造船所は工場を別の場所に移転して営業を行っている(写真とキャプション:齋藤大輔)
  • 「石巻市のぞみ野地区(旧石巻市蛇田新立野)」。左上から反時計回りに2012年6月9日、16年5月6日、21年5月3日撮影。被災者の集団移転先として整備が進む新蛇田地区。蛇田地区は三陸自動車道の開通とともに、大型商業施設が次々と出店し、近年急速に発展した地域であった。同地区は内陸に位置していたため、震災時の被害は少なかった。12年11月、区画の造成が開始され、14年11月、宅地の供給が一部でスタートした。集団移転先としては県内最大規模の団地となり、21年では約1400世帯が生活している(写真とキャプション:齋藤大輔)
  • 「石巻市西内海橋」。左上から反時計回りに2011年5月6日、16年5月7日、21年5月8日撮影。中瀬と市街地を結ぶ「西内海橋」。旧北上川下流方面を望む(南方向)。津波の襲来時、内海橋には避難する車が渋滞していたが、橋もろとも遡上(そじょう)した津波に飲み込まれた。内海橋は地震と津波により損傷したため、元の場所よりも上流側に新設される事となった。21年5月の撮影では、橋が撤去されたため、河川上の船舶から過去の撮影地点に近い場所で撮影を行っている(写真とキャプション:齋藤大輔)
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