小川公代(おがわ・きみよ)/1972年、和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門は、ロマン主義文学、および医学史。著書に、『ケアの倫理とエンパワメント』『ケアする惑星』ほか多数(撮影/小山幸佑)
『翔ぶ女たち』 (1760円〈税込み〉/講談社) 家制度が確立し、女性の生き方が制限された明治時代に生まれた小説家・野上弥生子。自身の語学力や教養、主婦としての生きかたを、先駆的な仕事にどう生かしたのか。「ケア」をテーマに研究を続けてきた英文学者である著者が弥生子の人生に惹かれた理由はどこにあったのか。『ケアする惑星』が話題の英文学者が、文学、映画、アニメ、音楽──現代の表現と野上弥生子を結ぶ、新しい文学評論だ