代表初ゴールを決めた南野拓実 (撮影・六川則夫)
代表初ゴールを決めた南野拓実 (撮影・六川則夫)
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 キリンチャレンジカップの日本対コスタリカ戦が9月11日に大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われ、日本が南野拓実や伊東純也の代表初ゴールなどで3-0の勝利を飾った。

 9月7日のチリ戦が北海道地震で中止になった森保一監督にとって、コスタリカ戦は初陣でもあった。ロシアワールドカップに出場した経験値の高い海外組の招集を見送り、国内組の選手を中心に、ロシアワールドカップのメンバーから漏れた浅野拓磨や南野らに加え、先月のアジア大会で招集できなかった堂安律、冨安健洋ら東京五輪世代の海外組を呼び、「若返りと世代間の融合」をテーマに掲げた森保ジャパン。注目のスタメンは次のようなメンバーだった。

 センターラインはGK東口順昭、DF槙野智章、ボランチ青山敏弘、1トップに小林悠と30歳以上のベテランを軸に置く。そして攻撃陣の両サイドにはカットインを得意にする20歳の堂安、24歳の中島翔哉、トップ下に23歳の南野、ボランチに25歳の遠藤航、右SBに24歳の室屋成、CBに23歳の三浦弦太、左SBには28歳の佐々木翔と、ベテランと若手を組み合わせた布陣だ。

 この試合の焦点は、「相手がどういうシステムできても、柔軟に対応できるようにしたい。試合の流れもあり、守備の時間帯は守備をする、攻撃を仕掛けられる時は速く仕掛ける。相手に守られた時は、ボールを握りながら何とか相手の守備を崩すという臨機応変なやり方」と森保監督が話したように、「個の対応力」をいかに「組織」として生かすかだった。

 集まって1週間足らず。しかも北海道では地震で、大阪では台風21号の影響で練習場のJグリーン堺を使用できないなど満足な練習環境ではなかった。このため、戦術の浸透度は期待できないかと思われたが、それを見越した上で“チーム作りの核”をにらんだスタメンだったことがキックオフからすぐに見て取れた。

 右SBの室屋がボールを持つと、小林が下りてきてフリーになってパスコースを作り、堂安が右サイドに張り出す形のトライアングルで攻撃を作る。かと思えば、堂安はセンター寄りのポジショニングでスペースを作り、室屋にドリブル突破のスペースを作る。ここに南野も顔を出して、右サイドでは数的優位な形でコスタリカゴールに迫った。

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有言実行、コスタリカDF陣にプレッシャー