「律(堂安)は中へカットインできるので、越えられる(攻撃参加する)タイミングもたくさんあるし、逆サイドに翔哉(中島)がいたら左から大きい展開のボールが来るので、サイドで時間を作れるというか、スペースが空いてくるというのはこの合宿を通して感じていた。そういうタイミングを結構自分は得意だと思うので、中を合わせながらチャンスを作れればいいと思います」(試合前日の室屋のコメント)

 その言葉通りのプレーでコスタリカDF陣にプレッシャーをかけ続けた。

 先制点は中島の右CKから佐々木翔のヘッドが相手OGを誘ったものだが、右サイドを再三崩してCKを獲得したことがゴールにつながった。そして2点目は左サイドから崩し、中島の縦パスに遠藤が走り込み、その折り返しを南野が決めた。

 右サイドは複数の選手によるコンビネーションからの崩しだったが、左サイドは中島の独壇場。カットインからのシュートやクロスを得意とする中島は、サイドに張ることが多い。この試合でも、佐々木がドリブルで持ち上がっても中島がサイドに張っているため佐々木が攻め上がるスペースはない。しかし、中島はそれでも個人技でコスタリカDF陣を切り裂いた。「個の力」で左サイドを制圧したため、佐々木には気の毒だが攻撃参加の機会は少なかった。

 そんな中島を時折フォローしていたのが、ボランチで起用されてワイドに動いていた遠藤だ。中島からのパスの落としどころになりつつ、2点目の場面では思い切りの良い飛び出しでアシストした。中島は、そのシーンについて「オリンピックでずっとやっていた選手なので、絡んでのゴールだったんですけど、お互いがどういうプレーをするかって分かってますし、自然といいプレーができたかなと思います」と、いつものように謙虚に話した。

 ゴールを決めた南野もチームメートをこうたたえた。

「翔哉がボールを持った時はやっぱり突破力もあるし、パスも出せるし、何でもできるので、タイミングよく顔が上がった時に動き出せばパスは来る。そういう意味で今日もオリンピックの時みたいに、いい距離感でやれば何となくチャンスは生まれるだろうなという感じがしたんで。実際、翔哉は何本もチャンスを作っていたんで、よかったかなと思います」

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森保監督、初陣で見事な手腕