イチローは二軍時代も凄かった (c)朝日新聞社
イチローは二軍時代も凄かった (c)朝日新聞社
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 2018年シーズンも折り返し、早くも後半戦の展開に思いを巡らせる今日この頃だが、懐かしいプロ野球のニュースも求める方も少なくない。こうした要望にお応えすべく、「プロ野球B級ニュース事件簿」シリーズ(日刊スポーツ出版)の著者であるライターの久保田龍雄氏に、80~90年代の“B級ニュース”を振り返ってもらった。今回は「ファームのスゴイ記録&珍事編」だ。

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 “世界のイチロー”はオリックス2軍時代にもスゴイ記録を残していた!

 入団2年目の1993年、当時本名の鈴木一朗でプレーしていたイチローは、2軍落ち直後の4月25日のウエスタン、広島戦(由宇)から13試合連続安打を記録。5月21日に1軍再昇格を果たし、6月12日の近鉄戦(長岡・悠久山)で、野茂英雄からプロ初本塁打を放ったが、その後、打率1割7分8厘と精彩を欠き、7月6日、再び2軍へ。

 すると、同日の中日戦(神戸第二)で4打数1安打を記録し、連続試合安打は「14」に。さらに7月13日の広島戦(みろくの里)では4打数4安打の固め打ちで「19」、同25日の阪神戦(新居浜)でも2本塁打の4打数2安打で「23」と記録を伸ばしていく。

 そして、8月1日の広島戦(神戸第二)も5打数3安打で「27」。ついに82年に川又米利(中日)が達成したウエスタン記録を更新した。

 同8日の阪神戦(湖東)で、三苫義太郎に3打数無安打に抑えられ、記録は「30」でストップしたものの、プロ2年目の19歳とは思えない安打製造機ぶりは、まさに「栴檀は双葉より芳し」という言葉がピッタリ。

 さらに驚くべきことに、イチローはルーキーイヤーの前年も、6月20日の広島戦(広島)からシーズン終了まで16試合連続安打を記録しており、足掛け2年で46試合連続安打というスゴイ記録をつくっていた。

 ちなみにイチローのウエスタン記録を止めた三苫は、一度も1軍に上がることなく、97年限りで退団。おそらく阪神ファンでも覚えている人は少ないはずだが、イチローファンにとっては、忘れられない選手の一人になった。

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球界初の珍ゲーム