そして悪阻がある。

 子どもへの愛情と言うよりも大人としての責任感から、私はこれらのことに対処した。

 妊娠したからといって急に母になる覚悟が定まるわけではない。

 AからBへのジャンプは、時間を要する。頭で考えて、想像力を駆使したって全く追いつかない。

 理屈じゃ追いつかない。

 物理的な、「オキシトシン」というホルモンの力が強烈に働いて、母になるのだ。その結果仕上がった、Bの私。

 目の前で青っ洟垂らして、ティッシュを箱から引っ張り出している10カ月のチビを見ながら、たまにそのティッシュを食べようとするのをコラと制しながら、あの時友人の言っていた「幸せ」とはこれかあ……としみじみ噛み締めている。

 ホルモンに翻弄(ほんろう)される、高齢新米ママの満身創痍(そうい)な日々をつづっていきたいと思う。

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