

42歳で電撃結婚、翌年には高齢出産。激動2年を経た女優・水野美紀さんが、"母性"ホルモンに振り回され、育児に奮闘する日々を開けっぴろげにつづった連載「余力ゼロで生きてます」。第1回は突然の結婚から妊娠発覚まで。そのとき、何が起きたのか!?
* * *
【A】
「仕事が趣味のようなものです。休みなんてなくてもいい。仕事している時が幸せです。
ストレス解消は、お酒。仕事仲間や友人と、週5で飲みに行きます。休みの日は昼まで寝てます(笑)。
健康のために気をつけていること? 野菜をたくさん入れたスープをよく作ります。スムージーとかも。たまにジムで泳ぎます。肌のお手入れも丁寧にやります」
【B】
「とにかく早く帰りたいです。仕事の現場が押すとイライラします。
『なに待ち??』ってなります。
毎年、まとまった休みを取ることに決めました。
お酒? 飲んでる暇がないですね。毎朝6時には起きます。連続4時間寝られたら御の字! 休みの日もクソもないです。休みの日こそフルタイム稼働。
そりゃ長生きしたいから健康には気をつけますけどね。こないだ初めて胃カメラ飲んだし。自分のために手の込んだ料理なんか作る気力が残ってません。肌の手入れ? 2日に1回化粧水塗ります」
上記、AとBはどちらも私。
2年前の私と今の私である。まるで別人なのである。
この2年の間に一体、彼女に何が起きたのか!?
「出産」である。
Aの私は幸せだったし、女優の仕事以外にも舞台の作・演出を手掛けていくことにも燃えていたから、先々の公演の計画も考えていた。
「結婚した方がいいのかな?」
と焦って出会いを求めて奔走した時期もとっくに越えて、
「結婚なんて面倒くさい! 私は仕事に生きるのだ」
と心は凪だった。
ましてや出産なんてしたら、子どもに時間を取られてしまって仕事に支障が出る。13歳から仕事最優先の人生を歩んできた人間に、「家庭を持つ幸せ」をイメージするのは難しい。