政治家としての生活も11年半。参院議員2期目の途中で議員を辞職して大阪府知事選に立候補。思いがけず、府知事選では67万票の票をいただきました。本当にありがたいことです。今は政治活動はしていませんが、時々政治家の人とお会いすることもあります。
昨年の病気で、たくさんのことがわかりました。心配そうにしてるけど実は喜んでいる人、お愛想で心配している人、何も声をかけてこないけど実は本当に私のことを思ってくれていた人……。いろんな人間模様が見えました。
でも、そんなこともどうでもいいことです。いろんな人と出会いましたけど、今は誰に対してもイヤな思いとか、怒っているなんてことはありません。
もともと、野球を辞める時も未練はなかったんです。選手生活のもので唯一残っているのは、1000奪三振を達成した時に表彰された盾ぐらい。これが偶然にも、打者は国民栄誉賞のキヌ(衣笠祥雄)さん。キヌさんも後日のゲームで1000三振目。珍しい記録ですよね。キヌさんは、成績だけではなく、人格もすばらしい人でした。先日に亡くなり、星野さんも1月に亡くなりましたが、私もいずれそちらの世界に行くことになるでしょう。
だからこそ、今のうちに言いたいことは言っておかなくてはと! 特に、これからの野球界は心配。今はプロ野球の観客動員数は好調ですが、これがいつまで続くのか。スター選手は米国に行き、日本では子供たちの野球人口が減っている。都市圏の小学校でも、合同チームでなければゲームができないという現状に、もっと野球界は危機感を持つべきです。
まずは野球人口の底辺拡大。私も地域に根ざした「おらがチーム」を全国にできたらと、クラブチームや独立リーグを応援してきました。今も高知ファイティングドッグスの総監督をしています。
また、プロ野球のOBは全国に約4千人います。彼らが指導者としてもっと子供たちに野球を教える機会を作るべきです。ただ、これも過去にプロ球界とアマ球界の対立の歴史があったこともあり、まだまだ進んでいません。野球界の関係者は、底辺拡大にもっと真剣に取り組まなければならないのに、その意識が低い。