いよいよ始まるプロ野球ペナントレース。毎年、優勝争いとともに注目を集め、大きな話題となるのが個人タイトル争いである。本命馬か、対抗馬か、それとも新星登場か。セ・パともに毎年のように新たな発見がある、2018年シーズンの打者3部門のタイトル争いを予想してみたい。

 まずはセ・リーグ。昨季は宮崎敏郎(DeNA)が獲得した首位打者だが、近年を振り返ると、97、98年の鈴木尚典(横浜)を最後に2年連続でタイトルを獲得した者がいない。その間、青木宣親(ヤクルト)が3度(05、07、10年)、福留孝介(当時中日)が2度(02、06年)獲得しているが、それ以外は毎年新たな選手がブレイクしている。

今季も坂本勇人巨人)、山田哲人(ヤクルト)の2人を筆頭に、丸佳浩(広島)、田中広輔(広島)、鈴木誠也(広島)、筒香嘉智(DeNA)、マギー(巨人)、大島洋平(中日)の実力者、さらに京田陽太(中日)、吉川尚輝(巨人)の若手2年目にもチャンスがあるかもしれない。

 本塁打王争いも混戦だ。昨季は35本塁打でタイトルを獲得したゲレーロが、今季から中日から巨人へ移籍。他球団から研究されてマークがきつくなる一方で、本拠地が広いナゴヤドームから本塁打が出やすい東京ドームに変わったことがどう数字に反映されるか。その他、バレンティン(ヤクルト)、ロペス(DeNA)、エルドレッド(広島)の助っ人勢が有力候補となり、新加入のロサリオ(阪神)がどこまで日本の野球にフィットできるかでも大きく変わるだろう。

そして日本人では、16年に44本塁打を放った筒香、昨季26本塁打で終盤に離脱した鈴木誠の2人に期待。ともに昨季からのバージョンアップに取り組んでおり、それが成功すれば楽しみは大きい。ともに首位打者を獲得できるポテンシャルを持っているだけに、「三冠王」誕生への期待も高まる。

 打点王争いも難しいが、本塁打王候補の中からは、得点圏打率の低さを指摘されているゲレーロは脱落か。昨季105打点でタイトルを獲得したロペス、そして16年に110打点で本塁打王との2冠に輝いた筒香が中心で、筒香とともに三冠王を狙う鈴木誠、さらに昨季得点圏打率.350とチャンスに強いマギーも候補。自分一人の力で獲れる本塁打王と違い、打点は周りの協力も必要となるだけに、チームの打線全体の調子にも大きく影響されることになる。

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一方パ・リーグは…?