そのためこの新学期から、入会届や個人情報保護に関する細則をつくってきちんと対応するPTAも増えているが、一方では対応が追い付かず、違法なやり方を継続するPTAも少なからずあり、混乱の原因のひとつとなっている。
もうひとつの原因は、「PTAに入らない」という選択をする保護者がいよいよ増えているのに、他方では「全員必ず加入する」というこれまでのやり方に慣れ、それ以外を認められない保護者や管理職の先生たちもまだ多い、ということだろう。
PTAは本来、任意加入の団体だ。多くのPTAはこれまで、子どもが学校に入れば保護者を自動的に会員としてきたが(なぜこれが可能だったかというと、学校の名簿をPTAの名簿として使っていたから)、実際のところ、そんなことを強制できる法的根拠は何もない。
最近はそのこと、つまりPTAは「入る/入らない」を選べる団体であることを知って、「入らない」という選択をする保護者が増えてきた。昨春、ツイッターで「#PTAやめたの私だ」というハッシュタグが広がったことは、記憶に新しいだろう。
ところが保護者や管理職の先生たちのなかには、法的根拠がないことを気にせず、「これまで通り」が正しいと考え、「PTAに入らない人=悪者」と捉える人も、いまだに少なくない。
そのため、会員家庭の子どもが受けられるサービスを非会員家庭の子どもには与えない、という間違った対応をとってしまう場合があるのだ。
冒頭のように「非会員家庭から別途実費をとる」というケースがよく見られるほか、もっとひどい場合には、「ほかの子どもに配るモノを、非会員家庭の子どもにだけあげない」というケースも稀に聞く。
■PTA未来予想図
さて、では、これからPTAはどうなっていくのか?
おそらくあと何年かの間は、法令を順守する新しいやり方を求める人と、これまで通りのやり方を続けようとする人の間に、あつれきが生じるかもしれない。