しかし、PTAが個人情報保護法を守らなければいけないことも、強制加入に法的根拠がないことも、どちらも否定しようのない事実であり、かつてのやり方に逆戻りすることは、ないように思う(と祈りたい)。

 おそらくPTAは次第に、「入る人・入らない人がいて当たり前」の団体として定着し、また「強制ではなく、自主的に加入・活動する任意加入団体」に切り替わっていくのではないだろうか。

 強制的なやり方をやめれば、当然、これまでのように「全員必ずやる」ということはなくなる。だが、本来それで問題はないはずだ。

 保護者全体の3割でも4割でも、やりたい人が、やりたいことをやる団体として残れば、十分ではないだろうか。

「PTAがなくなってしまうのでは?」と心配な人は、その活動内容や魅力をアピールし、また誰でも参加しやすい団体・活動になるよう、努力していくことが必要だろう。

 もしかすると、消滅してしまうPTAもなかにはあるかもしれないが、それはおそらく、その学校ではPTAが必要なかった、ということではないか。

 もし何らかの組織が必要になれば、そのときにはPTAでも、おやじの会でも、ほかの名称の団体でもなんでも、新しくつくり直すことはできるはずだ。(文/大塚玲子)

大塚玲子(おおつか・れいこ)/PTAや家族などをテーマに取材を続けるライター、編集者。全国各地で行う講演会「PTAをけっこうラクにたのしくする方法」も好評。著書に『PTAがやっぱりコワい人のための本』など