西安駅も寂しかった。中国の大都市の駅前は、出稼ぎの人々で埋まっているものだ。しか閑散としている。西安には、彼らが働く工場がないのだろうか。いや街の景気が悪いのか。
西安は陜西省の省都である。これまで訪ねたいくつかの省都を思い返してみる。長沙、太原、昆明、フフホト、長春、蘭州、ウルムチ、西寧……。その街の駅を脳裡に思い浮かべる。どの駅よりも、西安の駅は活気を欠いていた。
街を歩きながら、同行したカメラマンがこういった。
「ちょっと休むファストフードの店が、西安では見つからないなぁ」
マクドナルド、dicos、ケンタッキーフライドチキン……。そういえばコンビニも密度がやけに薄い。
中国という国は、歴史を無視したビルが林立する光景が当たり前になってしまった。それだけ西安の歴史は重いとうことなのか。発展するのびしろがないということなのか。