「朝は自分で起きて、自分で身支度をして、学校から帰ってきたら、自分でうがい・手洗いをして、遊ぶ前に自分から進んで宿題をやって……。こういった生活習慣的なことが自分でできることを『自立』と思っていませんか? しかし、それは親たちがやらせたいことをきちんとやってくれる都合のよい子にすぎません。これは自立ではなく『自動化』です。本当の自立とは、自分がやりたいことを自分で見つけて、自分でどんどんやっていく、つまり自己実現力のことです」(親野先生)
入学前の子どもには、何より「自分もできそう」という自己肯定感を高めてあげることが大切だと、親野先生は言います。
「子どもができないことについては、まずは合理的な工夫をして、少しでもやりやすくしてあげることが大切です。それでもできないときは、叱りながらではなく、気持ちよくやってあげましょう。一緒にやっているうちに、子どもはだんだんとやり方を覚えていくものです。また、小学校の一日の流れが描かれた絵本などを親子で見ながら、楽しいイメージを持たせてあげるのもいいでしょう」(親野先生)。
AERAムック『「早くしなさい!」はもう言わない 模擬時計とおしたくボード』では、入学前の子どもでも生活習慣や時間感覚を身につけられる「合理的な工夫」として親野先生が勧める、「模擬時計」と「おしたくボード」の作り方や使い方を解説しています。先取り学習や持ち物の用意とはちょっと違った視点の「入学準備」を、親子でしてみてはいかがでしょうか?