下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)
下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)
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台北桃園空港はようやく改修工事が終わった。ちょっときれいになった
台北桃園空港はようやく改修工事が終わった。ちょっときれいになった

 さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版「世界の空港・駅から」。第44回は台湾・桃園国際空港から。

【改修工事が終わり、ちょっときれいになった桃園国際空港】

*  *  *

 アジアの入り口──。それは僕にとってタイのバンコクかもしれない。しかし飛行機の旅を考えると、アジアの入り口は、台北の台湾桃園国際空港になることが多い。

 いまはLCCも加わり、航空会社やルートが多彩になってきた。しかし以前は、台湾のチャイナエアラインに乗ってアジアに向かうことが多かった。日本からの便数が多く、運賃も安かったからだ。

 チャイナエアラインに乗ると、桃園国際空港で乗り換えることになる。台北から先の便が満席でも日本を出発した。桃園国際空港に着くと、乗り継ぎカウンターに急ぐ。そこで満席だといわれた便の状況を聞くと、必ず席を確保できた。

「アジアの人は直前にキャンセルする人が多いんだろうか」

 そんなことを呟きながら、乗り換え便に急いだものだった。この技を使うために、日本出国のとき、荷物を預けないようにした。預けてしまうと、いったん台湾に入国しないといけなかったからだ。

 片道航空券で東南アジアに向かうときも、チャイナエアラインをよく使った。

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下川さんにとってのアジアの流儀…