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 がん患者の目に政治がどう映るか、闘病から政治版インフォームド・コンセントを思いついた背景は――。

 何度も取材で訪れた議員会館の会議室で、地方創生相を務めた石破茂さん、首相補佐官の柴山昌彦さんら、約20人の議員を前にするのは不思議な気分だった。私の横には、自民の平将明さんや公明の遠山清彦さん、維新の浅田均さんら世話人が並んで座っている。

 その一人、民進の細野豪志さんは「リスクも含めてきちっと説明し、国民が判断するのが正しい政治のあり方だ。政治にインフォームド・コンセントは必要だ」と語った。途切れぬ質問はどれも実現に前向きな内容だったが、ときに、こちらに矛先が向く場面もあった。

 ある議員は「政治版インフォームド・コンセントの実現には報道機関の仕事とセットでなければならない」と指摘した。政治家がリスクを語れば、皆さんは全体像をきちんと報じるのかと、やんわり問い詰められている気がした。これには「デジタル紙面ができて、載せるスペースに制約はなくなった」と答えたが、それで納得してもらえたかどうか。

 窮したのは、社会の分断と報道のあり方をめぐる別の議員の問いかけだ。「売れるか、売れないかの商業ジャーナリズムには期待していない。特定層にだけわかってもらえばいい、というメディアが増えている」という指摘だ。

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