明日2月1日はいよいよキャンプインだ。こんな季節だからこそ、改めて2017年シーズンの出来事を復習し、2018年シーズンに備えておきたい。「プロ野球B級ニュース事件簿」シリーズ(日刊スポーツ出版)の著者であるライターの久保田龍雄氏に2017年シーズンの“B級ニュース”を振り返ってもらった。今回は最終回となる「乱闘&負傷退場編」である。
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プロ野球に乱闘はつきものだが、プロレス顔負けのエキサイトシーンが繰り広げられたのが、4月4日のヤクルトvs阪神(京セラドーム大阪)。5回無死一塁、藤浪晋太郎が畠山和洋の左肩上部に死球を与えたのが、乱闘のゴングとなった。
たちまち血相を変えた両軍ナインがベンチを飛び出し、本塁付近で押し合いへし合い。そして、最後方からバレンティンが乱闘の輪に加わったことが事態をエスカレートさせた。
目の前の矢野耀大コーチと交錯した際に、勢い余って右腕で払いのける形になったのだ。地面に倒れ込んだ矢野コーチは、すかさず飛び膝蹴りで反撃する。場内が騒然とするなか、2人は退場処分になった。杉永政信責任審判は「事を起こして、それに対応した人を退場処分にしました」と説明。先に手(腕)を出したほうも悪いが、やり返したほうも悪いという裁きである。
伏線は初回からあった。藤浪は立ち上がりから制球が定まらず、先頭の大引啓次にいきなり四球。2死後、山田哲人、バレンティンにも連続四球を与え、顔面付近の荒れ球に2人が体をのけぞらして避けるシーンもあった。
その後も藤浪は4回まで8四球と大荒れ。前年4月19日のヤクルト戦でも、谷内亮太が左手首にぶつけられ、骨折で長期離脱しているとあって、ヤクルトナインに「また……」の思いが芽生えても不思議はない。
そんな矢先、畠山がぶつけられ、ついに堪忍袋の緒が切れてしまった。バレンティンも「今日は全体的にも4、5球危ない球が来た。畠山がぶつけられて、2人目、3人目と犠牲者を出したくない」とチームメートを守るための行動だったことを強調したが、騒ぎがここまで拡大した以上、“主犯認定”も仕方がない。
結局、バレンティンには20万円、矢野コーチには15万円の制裁金が科せられた。前年は空から魚が降ってきて、今度は乱闘騒ぎで罰金。バレンティンにとって、阪神戦は鬼門としか言いようがない?