2月1日のキャンプインを直前に控え、プロ野球界では自主トレのニュースが多く聞かれる時期となった。セ・リーグでは球団創設以来初の3連覇に挑む広島がペナント争いの中心になることは間違いない。オフには大きな補強はなかったものの、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の『タナ・キク・マル』のセンターラインは強力であり、鈴木誠也、西川龍馬に加えて高校卒2年目の坂倉将吾と高橋昂也など楽しみな若手が育っていることも大きなプラス材料だ。今回はそんな広島の3連覇を阻む最右翼となるチームはどこか、現有戦力から探ってみたいと思う。
あらためて昨年のセ・リーグの成績を見てみると、優勝した広島と2位阪神とのゲーム差は10と広島が頭一つ抜けた結果となっている。また、4位巨人と5位中日は12ゲーム差、さらにその中日と最下位ヤクルトが15.5ゲーム差となっており、下位2チームはAクラス争いにも加われていなかった。
その中日とヤクルトだが、結論から言うと今季も優勝は難しいのが現状だ。中日はオフに長年の課題である正捕手不在を解消するべくFAで大野奨太を獲得したが、昨年の盗塁阻止率は1割を切っており、打撃面も通算打率は.216と大きな期待はかけづらい。若手の投手陣は育ってきているものの、全体的な選手層が薄く、チーム再建にはまだまだ時間がかかるだろう。ヤクルトは4年ぶりに小川淳司監督が復帰し、ヘッドコーチに宮本慎也を招聘して巻き返しを図るが、ソフトバンクから山田大樹を無償トレードで獲得したくらいで、大きな上積みはない。川端慎吾、畠山和洋が復帰すれば打線は強力になるが、投手陣は故障で復帰時期が見えない選手が多く、開幕ローテーションは白紙に近い状態である。
そうなるとやはりAクラスを争った阪神、DeNA、巨人の3球団が広島の対抗馬になりそうだが、この中で最も苦しいのは巨人となりそうだ。何より痛いのがマイコラスの退団である。FAで野上亮磨を獲得したが、マイコラスほどの安定感はなく、若手の先発候補で伸びしろがあるのは田口麗斗、畠世周くらいしか見当たらない。リリーフ陣もピークを過ぎた選手が多く、エースの菅野智之の負担は昨年以上に大きくなるだろう。野手も昨年本塁打王のゲレーロを獲得したが、穴が大きいタイプなだけに2年目のジンクスが心配だ。