文章が長くて技術的な内容を含むのでわかりにくいと思うが、簡単に言えば、企業・団体献金は、党本部も支部も受け取らないということだ。ここで支部というのは、多くの場合、議員や立候補予定者が代表を務める個人への献金の受け皿として事実上利用されている組織である。支部には、もちろん、党本部からの寄付は認めるし、議員(特別党員)の後援会からの寄付は認めるが企業・団体献金はできないと解釈できる。
つまり、企業・団体献金は、維新の党規約で禁止しているという言葉に偽りはない。ここまで聞くと、「維新はすごい」と思ってしまうのだが、実は、これはかなり割り引いて考えなければいけない。なぜなら、ここで言う「寄付」の中にはパーティー券の購入は入っていないからである。つまり、いわゆる政治資金パーティーのパーティー券を企業や団体に買ってもらうことはこの規約では禁止していないということになる。
パーティー券購入は寄付ではないというのはおかしいと思う人が多いだろう。自民党議員などは、パーティー1回で数百万単位の収入を上げている者も多いからだ。では、パーティー券がなぜ寄付ではないかというと、パーティーでは飲食物が提供されたり、講師の講演があったりして、それに対する「対価」としてパーティー代を支払っているという建前になっているのだ。コンサートのチケットを買うのと同じという意味である。したがって、パーティー券を買っても所得税法上の政治資金の寄付に該当せず、寄付金控除の適用は受けられない。
維新が企業・団体献金から「寄付」はもらっていませんと言っても、パーティー券は買ってもらっているという点はあまり知られていない。ただし、維新の名誉のために言っておくが、これを維新が隠しているというようなことはない。最近も橋下氏自らツイッター上で「維新の会は政治資金パーティーのパーティー券の企業団体売りは認めています」とわざわざ一般向けに告知している。