――そんな域があるんですね!
若い子はオバサンになったらおしまい、今のうちに遊んでおかなきゃって思ってるけど、「おばさんね、53歳の今が人生で1番幸せなの。すっごい楽しいよ」って伝えたいですね。人生80年あるんですよ。40歳を過ぎて容姿とか若さとか、世間様からチヤホヤされることが全部無くなったときに、残りの40年をどうやって楽しく笑えるか。いまは彼氏もいるし、自分のお金でお寿司も食べられるし、好きな服も買える、ジャージで駅前だって行けちゃうし。
大概のことに耐性ができてきて、あの人が憎いとか、こんな私が許せないとか、そういうことがなくなるからね。人のことも自分のことも憎んだりしなくなって、達観力というか、ずぶとさというか、そういうことがすごくオバサンを楽にしてくれるの。若い頃って人にどう見られるとか、人にどう言われるとか、この先どうなるのかとか、不安があるけど、すごく鈍くなっていくんだから!
――連載が続いた15年間で、読者の母親たちの悩みも変わっていくんでしょうか。
最初は子育てに悩んでいたのが、「離婚組」が出始めて、あとは「介護組」が出る。私も最初に子どものことに悩んでいたら、先輩のお母さんが「これから介護や離婚もあるんだから、こんなことでバテたらだめよ」って言われたけど、まさにそのとおりねって思う。
■彼氏を「介護しない」
――現在の彼氏である高須院長のことも「介護しない」と公言していますね。若い人でもメンタル面から体調を崩す人も増え、親の介護を抱える人もいます。家族はいつも健康で、安定しているわけではありません。どうやって乗り越えていけばいいでしょうか。
「潰れない会社や病気にならない夫はいません」。だから、危機回避はやっておかなきゃいけないし、家族が不調なときに1番やっちゃいけないのは、親戚のおばちゃんにアドバイスをもらうこと。病気はプロが治すものであって、家族の愛情では治りません。私の元夫はアルコール依存症で、上の子を妊娠したときに暴力が始まって、離婚までに6年もかかってしまった。素人判断と素人の介入が、うちみたいにこじれて、6年もさまようことになるんです。暴力も病気も、専門家が介入しなきゃいけない。