脳梗塞の症状の多くは手足や口に表れる (※写真はイメージ)
脳梗塞の症状の多くは手足や口に表れる (※写真はイメージ)
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「冬に多い」というイメージの強い脳卒中だが、国立循環器病研究センターによれば、こと脳梗塞に限っていえば脱水による体内の水分不足が影響する夏に多く、次に危険なシーズンは、やはり冬だ。脳の血管が詰まって脳細胞が壊死し、その領域の脳が担う機能が失われる脳梗塞。薬物療法や手術がおこなわれ、迅速な治療がその後を左右します。週刊朝日ムック「脳卒中と心臓病いい病院」から、その予防や治療などを解説します。

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 脳梗塞(こうそく)は動脈硬化などが原因でできた血栓(血の塊)が脳の動脈に詰まる病気で、脳卒中の約6割を占めます。脳梗塞を発症するとその領域の脳が担っている機能が失われます。また壊死(えし)した脳細胞が腫れて周囲の脳細胞にもダメージを与えます。

 日本医科大学病院脳神経外科部長の森田明夫医師はこう話します。

「脳梗塞はいくつかのタイプに分かれます。主なものが三つ、症状が永続的ではないが将来脳梗塞になる可能性の高いものが二つです」

◯心原性脳塞栓(そくせん)症

 心臓に心房細動という不整脈があると、心房の左心耳という部分に血液がたまり血栓ができます。この血栓が血流に乗って移動し、脳の動脈を詰まらせて発症します。

「大動脈から流れる血液の15%は脳に向かうので、心房細動でできた大きな血栓は脳に流れ込みやすく、内頸動脈や中大脳動脈という太い動脈に詰まるため、脳の広い範囲に障害が及ぶことが多いです」

◯アテローム血栓性脳梗塞

 動脈硬化によって内頸動脈など脳の太い血管の内側にアテロームという粥(かゆ)状のしこりがたまります。それを覆う膜が破れて血栓ができ血管を詰まらせる場合と、できた血栓が血流に乗ってその先の血管を詰まらせる場合があります。

◯ラクナ梗塞

 脳の中央にある中大脳動脈から直角に分かれる細い動脈(穿通枝(せんつうし))が高血圧によって硬くなったり、血管壁が変形したりして詰まります。高血圧の人に多発します。

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自覚症状がない脳梗塞とは?