
2017年のJリーグは得点ランキングの上位を日本人FWが占めるなど日本人選手の活躍が例年以上に目立った印象はある。しかし、今季も外国人選手の活躍がクラブの成績に影響した部分も大きい。
特に主力としての働きを期待される外国人選手の出来はクラブの明暗を分けた。“助っ人”というとJ1が注目されやすいが、J2やJ3でも外国人選手が期待通り、あるいはそれ以上の活躍を見せたクラブは下馬評より良い成績に終わっている。
そこで今回は2017シーズンに新チームへ加入した外国人選手の中から活躍が目立った3選手に加え、大きな注目を浴びたルーカス・ポドルスキ、ピーター・ウタカの2選手を査定。さらにJ2とJ3から外国人MVPをピックアップした。
・マテイ・ヨニッチ(C大阪)
J1で外国人MVP級の活躍を見せた。187cm、83kgというサイズは歴代の外国人DFと比較しても特別に大きいわけではないが、その存在感が絶大だったのは早い段階でディフェンスラインにフィットし、身体能力に頼らない状況判断と統率力を発揮していたからだろう。もちろん、局面でのデュエルや空中戦は強く、12本のシュートで6得点を記録するなどセットプレーでの決定力も膠着状態を打開する力となった。
・レアンドロ(鹿島)
FIFAクラブワールドカップ(W杯)で準優勝したグレミオからレンタル移籍で加入したレアンドロは11得点を記録。サイドから貪欲にゴールを狙い、第26節の新潟戦ではハットトリックを達成した。鮮やかな突破や豪快なミドルシュートなど“ゴラッソ”が多かったことも素晴らしい。ただ、2試合連続スコアレスドローで優勝を逃した第33節の柏戦と最終節の磐田戦のどちらかでもゴールできれば理想的だった。
・ラファエル・シルバ(浦和)
圧倒的なスピードと、その中でもブレないテクニックで相手ディフェンスの脅威となった。ケガや“KLM”と呼ばれる日本人FW(興梠慎三、李忠成、武藤雄樹)トリオと併用されていたため、常時出ていたわけではないが、ボールを持っても、オフ・ザ・ボールでも相手にとって常に危険な存在であり、興梠やパサーの柏木陽介とも徐々にコンビネーションを高めたことで危険度は増した。12得点を挙げたリーグ戦以上に輝きを放ったのが優勝したアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、9得点を記録。特に決勝では第1戦と第2戦で連続ゴールを決め、アジア制覇の立役者となった。