・ルーカス・ポドルスキ(神戸)
2014年のブラジルW杯王者であり、ドイツ代表で130試合49得点という正真正銘のワールドクラス。前所属の名門ガラタサライ(トルコ)でもゴールを量産し、鳴り物入りのFWとして注目された。Jデビューの第19節・大宮戦で衝撃的な2ゴールを決めて話題をさらったが、相手の厳しいマークや周囲との連係には苦しむなど、Jリーグがそう甘くないことを思い知るシーズンでもあった。ただ得点のなかった試合でもボールキープやアクセントを付けるパスなど流石のプレーは多く、彼の決定的なシュートがチームに良い流れをもたらし、勝利につながった試合もあった。ただ、当初の期待値から考えれば、来季はさらなる活躍を求めないわけにはいかない。
・ピーター・ウタカ(FC東京)
昨シーズンは広島で19ゴールを決めて得点王に輝いただけに、移籍先のFC東京でもゴール量産を期待された。移籍間もない第4節の川崎戦で1得点1アシストを記録して上々の活躍を見せたが、シーズン途中に監督が代わるなどチームの良くない流れに引っ張られてか、思うように得点を重ねられず。特に第28節から最終節まで得点なしで終わってしまったのはストライカーとして残念なところ。シュート29本で8得点と決定率は驚異的だ。ボールを持って前を向いた時の迫力やダイレクトで合わせるフィニッシュは健在だけに、新天地での奮起が期待される。
・ガブリエル・シャビエル(J2・名古屋)
J2でのデビュー戦は第24節の京都戦だったが、そこから16試合で7得点14アシストと獅子奮迅の活躍で、名古屋の攻撃的なサッカーに明確なアクセントと決め手をもたらした。変幻自在のボールテクニックは言わずもがな、普段からともに練習しているチームメートにしか分からないタイミングでラストパスを繰り出した。FKの名手でもあるが、第37節の湘南戦では左足で直接狙うと見せかけて田口泰士へのパスを選択し、決勝点につなげるなど機転の利いたプレーも目立った。その攻撃センスには辛口の風間八宏監督も賛辞を惜しまないほど。来季はJ1でどんなプレーを披露するか楽しみだ。
・ジョニー・レオーニ(J3・栃木)
昨年は長野でプレーした元スイス代表のベテランGKは24失点という栃木の堅守を安定したポジショニングとセービングで支え、J2昇格に大きく貢献した。頭上を狙ったループシュートもタイミングの良いワンハンドセーブでしのぎ、ディフェンスが崩されていない状態でミドルシュートなどを打たれてもことごとく弾き返し、時にはキャッチングからスムーズに攻撃につなげるため、相手はなかなか積極的にシュートに持ち込むことができなかった。良いGKがいると試合が引き締まると言われるが、栃木の試合ではレオーニの存在がまさにそれだった。
(文・河治良幸)