「お世話をかけてすみません、と土下座をするのが筋でしょう!」。娘の言葉に女性は心がえぐられるほど傷ついたという (※写真はイメージ)
「お世話をかけてすみません、と土下座をするのが筋でしょう!」。娘の言葉に女性は心がえぐられるほど傷ついたという (※写真はイメージ)
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 毒母に悩まされる娘がいる一方、毒娘に悩まされる母もいる。母と娘の距離感はいくつになっても難しい。Reライフマガジン「ゆとりら秋冬号」では、そんな家庭内の女バトルについて特集。今回のケースではどのように関係を改善できるだろうか。

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金沢玲子さん(仮名、78歳)のケース

 私は2人の可愛い娘に恵まれ、幸せな子育て時代を過ごしました。男の子の母親である友人たちからは、「娘は大人になっても、ずっと仲良くできるからいいわね」と羨ましがられていましたし、私も将来、お嫁さんよりも娘がいてくれた方が気が楽でいいと思っていました。ところが、その希望はすっかり打ち砕かれたのです。

 一昨年に夫を事故で亡くし、私は心身ともに憔悴してしまいました。突然の葬儀の手配から役所関係の手続きなどすることは山ほどありましたが、悲しみに暮れるばかりで雑事をこなす余裕などありませんでした。娘たちは子育てで忙しい中、いろいろと手伝ってくれて、それには本当に感謝しています。

 しかし、私は夫を亡くしてから体調を崩し、病院通いが始まりました。電車とバスを乗り継ぐ通院はかなりの負担だったこともあり、長女に付き添いを頼んだのです。初めは快く付き添ってくれたのですが、何度か続くうちに長女の様子に変化が。「私が知っているお母さんと同じくらいの年の人は、もっとしっかりしてるけど。お母さんもしっかりしなさいよ!」と激昂し始めたのです。

 先日、病院に朝早く行かなければならない日がありました。長女の家から病院まで比較的近いということもあり、前の晩に泊まらせてもらうことになったのですが、そこでかなりショックな事件がありました。

 私が到着すると娘が玄関に立ち「お世話をかけてすみません、と土下座をするのが筋でしょう!」と言うのです。心がえぐられるくらい傷つき、凍りついてしまいました。帰るという選択肢もあったのですが、何しろ体調が悪く、荷物もあり、しんどいのです。結局、娘の家にお世話になり、翌日は病院まで付き添ってもらいましたが、「面倒くさい!!」と繰り返すばかり。私とは一言も口をききませんでした。普段から娘には感謝を伝え、できる範囲でいいから、とお願いしていたつもりなのですが……。確かに、娘も子育てや自身のお姑さんのことなどでストレスがたまっていたと思います。そこに私の面倒が加わって、イライラが爆発したのかもしれません。しかし、自分の母親に「土下座をしろ!」だなんて。

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