「病理検査の結果、悪性のがんだとわかって、子宮の全摘手術をすすめられたんです。30歳の私はあまりの衝撃に、やっと出た言葉が『私、子どもが産めなくなるんですか?』でした」
まだ若く未婚だった原さんにとって、受け止めきれない現実は、子宮頸がんという病気よりも、子どもが産めなくなるということ。母になる可能性を摘み取ることに対し、迷いに迷い、一度は決心した手術を前日になってキャンセルする。担当医は、原さんの苦悩を理解し、毎月の経過観察を条件に了承してくれた。
手術からもうすぐ5年を迎えるという2009年の秋、今度は子宮頸部と子宮体部にがんが見つかる。