左から、太田差惠子さん、中村寿美子さん、濱田孝一さん(撮影/写真部・小山幸佑)
左から、太田差惠子さん、中村寿美子さん、濱田孝一さん(撮影/写真部・小山幸佑)
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 高齢者ホームに関する本やウェブサイトは数あれど、実際のところ、何をもって「いいホーム」と言うのだろう。お金? それとも設備!? 発売中の週刊朝日ムック「高齢者ホーム 2018」では、メディアや講演などで活躍している3人のホーム選びの「プロ」に相談。ホンネを聞き出したので、3回に渡ってお届けする。2回目の今回は、施設見学のときに必ず知っておきたいプロの視点だ。

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――見学の注意点やポイントは?

濱田孝一:事前に申し込みをして決まった時間内に見学に行く、というのが前提です。「お風呂が好きなので浴室と脱衣室を見たい」といった要望をちゃんと伝えるのが大事かなと思います。

中村寿美子:最近はプライバシーを重んじるので、介助場面は見せないというホームも増えてきましたね。

太田差惠子:私はなるべく昼食の時間に見学に行くようお勧めしています。今まで昼食時間の見学を断られたことは一回もなくて、予約をすればたいてい試食もできます。味付けを確認して、入居者の介護の必要度合いや、どのように食事介助を受けているか。どんな話を、どんな表情で食べているか、本当にたくさんの情報があります。昼食の時間帯で3カ所を見学すれば自分の中の基準みたいなものができて、比較もしやすくなると思います。お昼時に行けるかどうか聞いてみて、だめならだめな理由まで聞いてみてもいいと思います。

濱田:入居者の服装もチェックするといいですね。要介護高齢者の身だしなみや清潔度に、介護サービスの質がよく見えますから。目ヤニをつけていないか、とかね。

中村:女性であれば、髪にくしが通っているかどうかも大事ですね。

濱田:可能なら入居者の部屋も積極的に見せてもらったほうがいい。そしてホームの種類や生活上のリスクなど最低限のことを勉強してから見に行くことが大事です。

太田:紹介業者を利用している方が多いですが、自分でホームに電話をかければその対応でも結構わかりますよ。業者のフィルターを通すより、直接アポイントをとる電話一本で入ってくる情報のほうがずっと多くて得だと思います。

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