中村:ネット検索をして、クリックしたら紹介センターにつながってしまうということもありますね。自分ではホームに連絡したつもりでいても。

濱田:僕も紹介業者を通すほうが怖いと思います。ホームや利用者、リスクも全部理解して紹介してくれるところもありますが、“とりあえず放り込め”式の業者だと何の説明もできないわけです。おそらく最初に5施設ぐらいは見学しますよね。で、そのうちの2施設ぐらいに決めて、そこだけもう一回行くといいと思います。

太田:そうですね。いくつかの施設に絞れたら今度は何人かで行って、複数の目で見る。本人とその子ども、その兄弟とか。

――ホームの場所は、本人の居住地か、遠方でも家族のそばか、どちらがいいでしょうか。

濱田:入居者本人が元気かどうかによりますね。僕はホーム探しは介護が必要になってからがいいと思います。それなら家族のそばがいい。頻繁に行けますから。

太田:ただ現実は、親の地元で探される方が多いですよね。グループホーム、小規模多機能住宅は住民票があることが前提ですし、特養もそのほうが入りやすいですし。あとは、親自身が地元を離れたくないとか方言の問題が大きいですね。それに空気感も。山とか、海の匂いとか。

濱田:寝たきりでトイレも自分で行けない状態だと、地方も都会もそんなに変わらない気がします。

太田:人によりますよね。施設に入っても頻繁に入退院を繰り返す方はいて、するとその度に家族が仕事を休んで、地方の親の入退院の手続きをするわけです。だから家族のほうへ移ってこられる方が結構いらっしゃいます。一方で、やはり親の人生なんですよね。親の気持ちを尊重して地方、という人も多いですよ。

中村:私は、介護度よりも年齢かなと思います。80歳前だったら親の地元でいいけれど、90歳過ぎだったら、もう子どものそばがいい。親が元気なうちに家族で話し合っておくのが一番ですね。

(構成/石川美香子)

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