「私大医学部の学費が高いのではなく、国公立大の学費が安すぎるのです。一人の学生に6年間医学教育をするのには、約1億円もかかります。付属病院でかなりの収益をあげるなどできれば、学費を下げることができます」

 18年の私大医学部入試の最大の話題は、1876(明治9)年に創設された日本最古の私立医科大学である日本医科大の学納金値下げだ。6年間で570万円値下げすることによって、国際医療福祉大、順天堂大、慶應義塾大に次いで授業料が安くなる。

 日本医科大の小澤一史医学部長は、値下げについてこう語る。

「新しい経営目標、努力のもと、付属病院も新しくなり患者さんも大幅に増えています。将来のリーダーを育てる大学でありたいという思いを込めて、学費の大幅値下げを決定しました」

 野口英世が学んだことでも知られ、私立御三家の一角を占める日本医科大の学費値下げによって、同大のオープンキャンパスは来場できない生徒がでるほどの人気を集めているという。18年入試では、志願者増で偏差値もあがりそうだ。

(文/庄村敦子)

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