前の繰り返しです。妻のショックが大きい分、反応もより厳しくなり、反省文を書かせたり、GPSで居所を監視したり、夫のスマホをいつでも見ることを求めたり。親族に「いいつけ」たり、「守るべき約束10か条」を制定したりします。

 ただ、そうしたところで実際問題としては、夫の一挙手一挙動を監視できるわけでも、夫の内心を把握できるわけでもないので、これ以上打つ手が考え付かない、というところで膠着します。これらの施策は夫にとってもダメージが大きいので、これだけのペナルティを課したのだからもうしないだろうと、信じたい気持ちを心のよりどころに、妻はどうにか自分の気持ちを抑えて、矛を納めたとします。

 それで、今度こそ、その後2人は幸せに暮らしました、となればいいのですが、不思議なことに、また再発するのです。

 3度目の浮気発覚に、妻は、さらに深い絶望の谷につき落とされます。

 そして、前回よりさらに厳しく夫を責めます。

 夫も、より殊勝な態度で「もう許してくれなんて言えない。自分は死ぬしかない」などとうなだれて言ったりします。この段階で、「死ぬほど反省しているんだ、じゃあ今度は大丈夫。もう安心!」なんて思う人がいたとしたら、現実検討能力に問題があります。

 死なれては困るものの、だからと言ってそんな話が信用できるはずもなく、妻はさらに強い“抑止力”を求めて、「死ぬより全然いいでしょ」と念書を書かせたりします。例えば「今度浮気したら、家の権利も親権もすべて手放して出ていきます。○野×夫」とか。法律に詳しい人の中には、公正証書にする人までいます。

 もうわかりますよね。またまた再発するのです。

■「罪悪感で更生」はファンタジー

 何故でしょう。

 突っ込みどころはいくつかあるのですが、その一つは、「反省」です。『反省させると犯罪者になります』にも書かれていますが、「反省」させると、「反省(と受け取られるようなプレゼン)」が上手になります。

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