しかも、ひきこもり当事者の会は男性がほとんどで、女子会のように「スタッフも含め全員女性」という場がこれまでなかったのです。
■理由(2)ひきこもり女子は孤立しやすい
また、ひきこもり女子は行政からも世間からも「見えづらい」存在です。そのためにひきこもり女子は孤立しやすいと言えます。
女性の場合、ひきこもっていても「家事手伝い」「花嫁修業中」と見られたり、「いずれ結婚すればいい」とも思われたりします。よくも悪くも「ひきこもり」とは見られず、キャリアを積めない本人の不安感は軽視されがちです。
それから「主婦」であっても、ひきこもりの苦しさを抱える人がいます。女子会の参加者で言えば1割~2割程度が主婦でした。
「ひきこもり主婦」は、人付き合いが怖い、働けないなどの悩みを持っています。しかし「主婦」であるがために、その苦しさが誰からも理解されません。「ひきこもり主婦」は、いま日本でもっとも見えづらいひきこもりだと言えるでしょう。
さらに問題なのはここからです。行政も「ひきこもり女子」を見落としています。
内閣府のひきこもりの実態調査では「家事手伝い」や「主婦」を調査対象者から除外しています。
女子会参加者の大半は「家事手伝いと言えなくもない状況」にいます。つまり国の調査では、ひきこもり主婦はもちろんのこと、女子会参加者のほとんどが対象外になった可能性があります。
これは世間と同様、行政もまたひきこもり女子の存在を軽視していると言わざるを得ません。ひきこもり女子は世間や行政から見えづらく、孤立やすい状況にさせられています。
■理由(3)ロールモデルに会える
このように、ひきこもり女子は「苦しく」「見えづらい」という面を抱えさせられています。その問題をより根深くさせているのが「同じ境遇の人と出会えない」という現状です。苦しさを抱える人にとって、同じ境遇の人と出会いは「明日を生きる」ために必要な要素の一つです。