“炎上社会”と呼ばれる昨今。
売れっ子芸能人といえども、テレビ番組で口にした不用意な発言やブログ、ツイッターなどSNSを介しての過激な書き込み、プライベートでの不用意な行動が槍玉にあげられて炎上し、一気に人気や露出を減らすケースも多い。
そんな中でも、とくに世間の風当たりが強いのが「不倫」だろう。
ここ数年だけでも、元「モーニング娘。」の矢口真里やタレントのベッキー、人気バンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音、歌舞伎俳優・中村橋之助(現・中村芝翫)、人気俳優の渡辺謙、お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之、元「SPEED」の今井絵里子、上原多香子など、多くの芸能人がメディアで報じられた不倫疑惑により芸能生活の窮地に立たされている。
もちろん、「不倫」自体を肯定するつもりは毛頭ない。
過去にも俳優・石田純一やフリーアナウンサーの近藤サト、タレント・麻木久仁子などが「不倫」によって世間から厳しい逆風を受けたこともあり、「不倫」バッシングが今に始まったことではないのも重々承知している。
とはいえ、近年の「不倫」に対する世間の風当たりの強さは、日本の芸能史上においても類を見ないほど増していることは間違いないだろう。
実際、懇意の民放テレビ局の編成担当の話では、各テレビ局とも芸能人の不倫騒動には大いに頭を抱えているそうで、「最近は不倫騒動や疑惑の渦中にあるタレントを番組に出演させているだけで、局の方にも抗議の電話が掛かって来る。中には、局を通り越して該当する番組のスポンサー企業にまでクレームを入れる視聴者までいるから大変ですよ」という。
テレビ局にとってお得意様である大手スポンサー企業に迷惑をかけることは、最も避けなくてはならない事案だ。
とくに近年はインターネットやスマートフォンの普及などにより、テレビの影響力が昔に比べて弱まっており、今年は世界の広告市場においてネット広告の割合がテレビ広告を初めて上回ることが予測されている。