
プロ野球は7月17日からペナントレース後半戦がスタート。激しい首位打者争いに連続完封劇……。広島が首位を快走したセ・リーグ前半戦の中で、最も働いた選手“前半戦MVP”を選びたい。
【セ・リーグ投手部門】
菅野智之(巨人)
第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本のエースとしてした奮闘した男は、ペナントレースでも快投を続けた。疲労の影響から4月4日のDeNA戦(横浜)に今季初先発。その試合で7回1失点と貫禄の投球で白星を奪うと、4月18日のヤクルト戦(熊本)、同25日の広島戦(マツダ)、5月2日のDeNA戦(東京ドーム)と、セ・リーグでは1989年の斎藤雅樹(巨人)以来28年ぶりとなる3試合連続完封の快挙を成し遂げた。その後、炎上した試合もあったが、6月13日の福岡ソフトバンク戦(東京ドーム)で9回3安打1失点、10奪三振の熱投。7月は5日の広島戦(マツダ)で6回無失点、11日のヤクルト戦(東京ドーム)で7回無失点と2連勝で締め、前半戦15試合に先発して9勝4敗、防御率2.20の好成績を収めた。
勝ち星はリーグ単独トップ、防御率は田口麗斗(巨人)の2.09に次ぐ2位。その他の成績を見ても、4完投3完封(リーグ1位)、100奪三振(同2位)、被打率.208(同1位タイ)と優秀な数字が並ぶが、今回の前半戦MVPの選考で基準にしたのが、WHIPの数値。「1イニング当たり何人の走者を出すか」を表す項目で、菅野は0.93。同項目で2位の田口の(1.09)を大きく引き離してのリーグトップを誇った。チームは借金6のBクラスで前半戦を終えたが、個人としてはMVPにふさわしいパフォーマンスだった。