女性ファッション誌には、読者モデルとして数多くの女子学生が登場する。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版)では、誌面に記されている彼女たちの大学名を集計した、女子学生の読者モデルランキングを掲載している。『JJ』『CanCam』『ViVi』『Ray』4誌の読者モデルから、大学の特徴を探ってみた。
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最新のランキングで上位を占めたのは、関東の私立大学だ。だが、かつては関西の阪急沿線の女子大が強かった。その中心は甲南女子大、神戸女学院大、神戸松蔭女子学院大である。2000年前後は、甲南女子大が1位常連だった。しかし、同大学は学生がメディアに登場する際、校名を出すことを規制したため下位に。ベスト10常連だった神戸女学院大も、学生層の変化によるものか勢いが見られない。
こうしたなか、神戸松蔭女子学院大が健闘する(22位)。キャンパスは六甲山を登る途中にあり、おしゃれには必須のアイテムであるハイヒールでは通いにくいという「ハンディ」があるにもかかわらず、ここ数年、関西の女子大で読モトップを守っている。神戸松蔭女子学院大の学生に言わせると「毎日がファッションショーみたいで楽しい」と、通学に気合いが入っている。芦屋のお嬢さまは健在だ。
読者モデルランキングは、もちろん、大学のあり方と何ら関係はない。したがって「余計なお世話」「恥ずかしい」と受け止める大学がある。一方で、好意的に捉える大学もあった。
「多様な学生という観点からファッションが好きな学生が紹介されるのは悪くない。また、モデルという自己表現に優れた学生が活躍するのは評価していい」(都内の私立大学広報課長)
2014年に、国際基督教大が10位になったことがある。当時、同校のウェブサイトで、「大学ランキング」誌を引用しながら、「読者モデル10位にランクイン」と紹介している。
2017年、『JJ』『CanCam』『ViVi』『Ray』に登場する女子学生数は、10年前に比べるとかなり減少している。おしゃれにお金を使わなくなったからだと言われている。自己表現に長けた女子学生の復活を期待したい。(教育ジャーナリスト・小林哲夫)