プロ野球ソフトバンクの小久保裕紀内野手(40)が8月14日、今季限りでの引退を表明した。プロ19年目の今季は腰痛に苦しみながらも、通算2千安打を達成。史上17人しか達成していない400本塁打も達成しており、引退も想定内。だが40試合以上残しての表明は異例で、球界に衝撃が走った。

 とにかく野球に対しては、まっすぐでストイックだった。若手のころ、春季キャンプではいつも最後の一人になるまでバットを振っていた。30代になると、目やメンタルのトレーニングを採り入れた。野球に生かすため、あらゆるジャンルの本をむさぼり読んだ。

 一方で私生活は奔放だ。

 ダイエー時代の高知キャンプ中には美人局(つつもたせ)に遭った。自宅に持ち帰ることのない遠征用バッグには、遊び用のケータイを忍ばせていたという。福岡の地元テレビ局の女子アナウンサー不倫の関係に陥り、2008年に離婚が成立。2人の子どもは妻のところへいった。かつて試合がない日のチーム練習にはいつも、小学生だった長男を連れて来ていた。長男は自慢の父と離れ離れになり、ひどく落ち込んだ時期があったという。

 将来の監督候補には間違いないが、まずは解説者などで球団の外から野球に接する形になりそうだ。

「彼は自分の人生を本にしたいという希望を、強く持っています」(地元記者)

※週刊朝日 2012年8月31日号