開幕から好調な打撃でチームを引っ張る巨人・阿部慎之助(c)朝日新聞社
開幕から好調な打撃でチームを引っ張る巨人・阿部慎之助(c)朝日新聞社
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 開幕から早1週間が過ぎた。悲喜こもごもの中、スタートダッシュを決めたのは誰か? ニュースサイト「dot.」編集部では、3月31日から4月9日までの“週間MVP”を、セ・パ両リーグの投打一人ずつの計4名選出してみた。

【セ・リーグ投手部門】
加藤拓也(広島)

 セ・リーグでは、マイコラス(巨人)、九里亜蓮(広島)が先発投手として開幕2連勝をマークしたが、それ以上に鮮烈なインパクトを残したのが、慶応大からドラフト1位で入団したルーキー右腕だ。

 開幕ローテからは外れたが、咽頭炎を発症して登録抹消されたジョンソンの代役として4月7日のヤクルト戦(マツダ)でプロ初登板初先発。本拠地の大歓声を背に、初回を三者凡退に仕留めると、2回以降も150キロ台の力強いストレートと鋭いフォークを軸に、四球を出しながらも9回1死までヤクルト打線を完ぺきに封じ込めた。

 1987年の近藤真一(中日)以来史上2人目の初登板でのノーヒットノーランまで残り2人となった場面でバレンティンに三遊間を破られて大記録は逃したが、8回1/3を2安打、7三振、7四球の1失点で見事なプロ初登板で初白星。セ・リーグ新人最速勝利を挙げた男に最大限の称賛を送りたい。

【セ・リーグ打者部門】
阿部慎之助(巨人)

 巨人の大黒柱が開幕から大爆発。「4番・ファースト」として出場した3月31日の中日戦(東京ドーム)の最初の第1打席でライトへいきなり今季1号2ランを放つと、翌4月1日には1点ビハインドで迎えた9回裏に中日・田島から逆転サヨナラン3ラン。開幕3試合連続マルチ安打で打率.545、2本塁打、8打点と驚異的な数字を残した。

 勢いは止まらず、続く4日からのDeNAとの3連戦(横浜)でも2ラン2発と火を噴き、開幕8試合終了時点で29打数11安打の打率.379、4本塁打、13打点。オープン戦では15試合で打率.182、1本塁打、8打点と鳴りを潜めていたが、開幕とともに圧倒的な存在感を見せ付けてチームの開幕5連勝に大きく貢献した。

 2010年に44本塁打、2012年に首位打者と打点王を獲得した“史上最強捕手”。近年は故障に悩まされながら成績も低迷していたが、正捕手の座を完全に小林誠司に譲った今季は、自主トレ、春季キャンプと万全の体調でフル稼働。その成果を、存分に見せ付けている。

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