欧州冬の移籍市場が現地時間1月31日に閉幕した。この最終日に飛び込んできたビッグニュースは、なんといっても鹿島MF柴崎岳のテネリフェ(スペイン2部)移籍と、セビージャMF清武弘嗣のC大阪復帰だ。柴崎はスペイン1部のラス・パルマス移籍を見込んで渡欧し二転三転した末の決着。清武はスペインに新天地を見出したものの出場機会に恵まれず、本人もブログで語っているとおり、W杯予選や本大会を考えての結論だ。
柴崎は28日にスペイン入りしたが、ラス・パルマスの補強リストと欧州連合(EU)圏外選手枠との兼ね合いで破談となったと言われている。では、ラス・パルマスはどんな選手を獲ったのだろう?
まず、26日にハンブルガーSV(ドイツ)からMFアレン・ハリロヴィッチをレンタルで獲得し、31日にはパリ・サンジェルマン(フランス)からFWヘセ・ロドリゲスもレンタルで獲得した。しかしどちらもEU圏内の人間だ。独移籍情報サイト『transfermarkt』によれば、ラス・パルマスは今冬の移籍市場でEU圏外の選手を新たに獲得していない。もちろん、南米やアジア、アフリカの選手を狙っていたものの、最終的に白紙になったということもあり得る。
ただ、ラミレス会長はヘセ獲得を発表した際に「我々は予算を超えてまで選手を獲得する予定はない。最終的にヘセの獲得が目標で、今それを実現した」と述べており、これが本音のようにも思われる。ちなみに、“今季ブンデス最大のフロップ(期待外れ)”ことハリロヴィッチのレンタル料は100万ユーロ(約1億2000万円)。高額で売れる選手がいるわけでもないラス・パルマスにしては、思い切った投資である。
ドイツ国内では清武C大阪復帰のニュースと本人のコメントが一斉に報じられ、彼がかの地に残した足跡の大きさをうかがわせた。市場が開く前から「清武、ブンデスリーガ復帰なるか? 行き先はヘルタ・ベルリンか? マインツか? ヴォルフスブルクか?」と盛んに報じられていただけに「やっぱり戻ってこなかった」というニュアンスが各紙面から読み取れる。