現在、NCCA 1部に留学している渡邊雄太(22歳/ジョージワシントン大)、八村塁(18歳/コンサガ大)といった若手も、当然ながら代表強化の構想に入る。2人は日本の高校でプレーしていた当時と比べて技術とフィジカルの両面でスケールアップし、バスケの本場でいい経験も積んでいる。ジョージワシントン大は昨夏の親善試合で日本代表を下しているが、世界中の逸材が集うアメリカの大学バスケは、日本のプロより平均レベルが上と考えていい。そういうカテゴリーでプレーしている彼らは、既に代表でプレーするレベルと考えて間違いない。205cmの渡邊、203cmの八村というオールラウンダー2人がチームに加われば、代表は間違いなく活気づくだろう。
一方でアメリカの大学スポーツは日本以上に学業面で選手に対する要求が厳しく、授業や試験を無視して長期の遠征に帯同することは難しい。秋から春にかけたNCAAのシーズン期間中に、合宿へ呼ぶというのも現実的ではない。実際に2人は日本代表の強化指定選手に入っているが、12月の合宿には不参加だった。彼らが週の半ばに組まれるワールドカップ予選のたびに帰国するということも現実的ではなく、彼らが不在の状態で出場権を勝ち取ることを前提としなければならない。
帰化選手枠の人選も難しいテーマだろう。バスケの代表チームは他スポーツと違い、16歳を過ぎてから国籍を変えた選手の登録を1人に制限している。Bリーグにも桜木ジェイアール(三河)、アイラ・ブラウン(SR渋谷)、マイケル・パーカー(千葉)といった外国出身で日本国籍の実力者はいるが、それぞれ年齢が高い。手薄なインサイドの大型選手の若手、中堅にこれといった候補が思い当たらないことも不安な現実だ。