2020年の東京オリンピックは、もう3年半後だ。ただしバスケットボールは開催国枠の保証がなく、参加も決まっていない。女子は昨年のリオデジャネイロ五輪で8強入りという結果を出しており、高確率で枠が与えられるだろう。しかし男子は1976年のモントリオール五輪から40年以上に渡ってオリンピックと縁がなく、ワールドカップも自国開催の06年を除くと98年以降は出場を逃している。
開催国枠を得るため、日本の実力を国際バスケットボール連盟(FIBA)に認めさせる必要がある。例えば19年のFIBAワールドカップ中国大会に向けた予選を自力で突破し、本大会でも恥ずかしくない戦いを見せられれば、明確な実力の証明になるだろう。しかし、レベルアップを図るための猶予は皆無に近い。
今回のワールドカップからは予選がセントラル方式でなく、リーグ戦の隙間を縫い、サッカー男子代表などと同様の『ホーム&アウェイ方式』で開催されることになった。必然的に予選の開始時期も早まり、加えて事前に予選の出場権を得るための国際大会がある。今年の5月、もしくは6月に予定されているFIBAアジアチャンピオンズカップ(アジアサブゾーン予選)から“東京五輪への道”はスタート。東アジアの4強に入り、その上でアジアカップの上位14チームに入れば、ワールドカップ予選の出場権が手に入る。1次予選のスタートは17年11月だ。
状況は慌ただしいが、『世界を知る』『世界に近づく』ためのアクションは既に起こされている。日本バスケットボール協会(JBA)は昨年11月に、技術委員会のアドバイザーとしてセルビア出身のルカ・パヴィチェヴィッチ氏を招聘した。春以降には外国籍の新ヘッドコーチ(監督)も招かれる予定だが、現在は彼が強化合宿の指導に当たっている。育成年代は以前からドイツ出身のトーステン・ロイブル氏が統括しており、ヨーロッパ出身のスタッフが各年代の強化を引っ張る体制だ。